漠然と
漠然と
四限が終わると作業机から離れて座椅子に座り、なんとなくテレビの電源をつけた。気付けばYouTubeで好きなアニメを見ていたが、そこに映る彼女たちの吹奏楽にかける思いはどうしようもなく眩しく、陽光のように感じられた。ふいに、自分は何を目指しているのか、と自分に問う。具体的な言及はしないが自分にはやりたいことがあり、それは明確に言葉にすることができる。しかし、僕がこのアニメを見て勇気をもらっている間、画面越しの彼女たちは凄まじい練習を積んでいた。太陽が何度も落ちては昇ってくる。僕はそれを停滞した時間の中で見続けていた。
漠然と、放課後、僕は普段何をしているのか思い出せなくなっていた。気にしたくないから、だろうか?
次に進まなくてはならないという焦りもあるが夏休みまであと少し、たくさんの期末レポートを片付けてしまわないといけない。
自分のやりたくない事に立ち向かうことが出来ないのは悪いことなのだろうか。それとも好きなことが本当にしたいという気持ちの現れだろうか。
考えていたら少し頭が痛くなった。誰と話したい気もするが、他人はどこまでも他人だ。あてにしてもしょうがない。自分と対峙しなければならないと、強く感じた。