ご機嫌いかが

(みんなは元気だろうか)

皿を洗ったり、部屋の電気を消していざ寝ようとする時にふと思い出す。自分の友達の存在を。親しい人の存在を。親しかった人の存在を。どうせ元気だろうなと思って、頭の中からため息と一緒に外へ追いやる。他人のことを考えていても仕方がないのだ。やるべき事はたくさんあるんだ。

 

……分かってはいても気になってしまう。

返信が来ない友人だとか、何か話したいなと思うが結局話せないままの友達とか。

 

「他人に消費される」「他人を消費する」

このことに意識を向けるようになってから、僕もこの年にしてようやくパーソナルスペースというものを体得しつつある。他人に一方的に消費されると自分が寂しくなったり見返りを求めたりしてしまうから、一定の距離を保つ。逆に、他人を消費したいという時は、相手にメリットがあるのか否か考える。もし自分だけ楽しいというようならば声はかけない、誘わない。結局、嫌われるのが怖いんだ。

 

好かれるための努力はまだまだだけど、すぐにできそうな事は苦手でもやっている。昔だったら、何も考えず友達に遊ぼうとメッセージを送っていただろう。慣れないけれど、自分のため、他人のため。仕方ない。

 

明日、友達に会うかもしれない。(友人、とした方が距離感があっていいだろうか)友人に対して気をつけることはなにか、言ってはいけないことは何か、少しだけ意識しておく。

気付けば、僕はたくさんの秘密を抱えている。まあ、他人のがほとんどだけれど。

 

礼儀として、他人を警戒する。個々を尊重するためだ。そしていつか、誰か一人の女性と、お互いの尊重を緩めた時のちょっとした危うさを楽しみたい。(これは恋愛脳なのだろうか)